設立趣旨

■「沖縄の人々を先住民族とする国連勧告の撤回を実現させる沖縄地方議員連盟」の設立
 

  この度「沖縄の人々を先住民族とする国連勧告の撤回を実現させる沖縄地方議員連盟」を設立いたしました。沖縄県は多くの政治問題を抱えていますが、今回設立した議員連盟が扱う問題は、沖縄のマスコミでも本土のマスコミでも全くと言ってよいほど報道されていないのですが、非常に重大かつ深刻で緊急の課題であり、強い危機感を持って設立いたしました。 

 お手元の資料を御覧ください。2008年の自由権規約委員会以来、沖縄の人々は先住民族であり、日本政府はその権利を守るべきだという趣旨の勧告を合計5回も出されています。私達を含め、ほとんどのウチナーンチュは自らを日本人として生きていますので、この問題は、県内外のウチナーンチュが当事者となる大きな問題です。これは、ウチナーンチュとして生きてきた私たちにとって政治問題というレベルを遥かに超えており、私たちの存在そのもの、アイデンティティーそのものが問われる大きな問題です。来年は沖縄県が祖国日本に復帰して50周年の年を迎えます。気持ちよく、祖国復帰記念日を祝えるように、この問題は早く片付けたいと思っております。 

 

■先住民族勧告の深刻な問題 

  この勧告は、現在の私達の生活に何の影響も無いとお思いの方が多いと思いますが、様々に深刻な大問題を内包しています。その中の大きな問題2点のみを挙げさせていただきます。1つ目は、この勧告が出されるプロセスが不透明だということです。沖縄県議会も他の地方議会も、「沖縄の人々を先住民族として認めてくれ」という陳情を受け取ったことも議論したこともありません。私達が知らないところで、誰かが国連に働きかけたのが原因だと考えられますが、それは、議会制民主主義の危機です。その真相は闇の中ですが、ウチナーンチュの誇りにかけて真相を明らかにしなければならないと認識しています。2つ目は、国連勧告は撤回というプロセスが無いということです。日本政府は沖縄の人々を先住民族とする国連勧告を否定していますが、数年おきに行われている国連の自由権規約委員会や人種差別撤廃委員会の対日審査では、前回出した勧告の実施状況によって評価されます。日本政府がいくら反対しても国連は永遠にウチナーンチュを先住民族だと認識し、勧告を出し続けることになります。これは時間の経過とともにウチナーンチュは先住民族だという認識が国際社会に浸透してしまいます。このままではいずれ、私達の子や孫が外国に行った時に日本の先住民族だと認識されてしまうことになります。 
   このような問題意識と危機感から沖縄の市町村議会議員有志が集まって議員連盟を設立しました。 

活動内容

 この問題の解決は政府だけで解決することは極めて困難であり、沖縄県民自身が主体的に、動かなければなりません。よって、当議員連盟は以下の活動を展開いたします。

 

1.沖縄県に対して国連の先住民族勧告が出されたプロセスの調査研究とその結果の公開を要請するとともに、議員連盟独自の調査研究も行い公式ホームページに掲載し県民に知らせる。 

2.来年末までに、沖縄県内41市町村議会で、国連の先住民族勧告の撤回を求める意見書の採択を実現する。